違法

賭け麻雀は違法なのかを考える

麻雀で多額の財産を喪失して身をもちくずしたという経験談を耳にしたことはないでしょうか。
最近では元検事長が新聞記者との接待で掛け金をかけて麻雀を繰り返していたことが発覚し、不起訴処分になったものの検事総長になることはできませんでした。
そもそも賭け麻雀は違法なのか、いまいち明確に線引きすることができない印象をお持ちの方が少なくないかもしれません。
そこでここでは賭け麻雀の違法性について検討を加えてみましょう。
麻雀が刑法に抵触する可能性があるのは、単純賭博罪(刑法185条)になります。
法律では賭博をしたものは50万円以下の罰金に処する、ただし一時の娯楽の用に供する物をかけたときはこの限りでない、とされています。
ここに賭博とは偶然性により財産を得喪する可能性のある行為を意味しており、麻雀は技量で左右される部分はあるものの偶然性がえいきょうするのは明らかなため、賭博にあたるとされているのです。
もっとも食事や飲み物などその場で消費する程度の出費は罰するまでもありません。
飲食物などをかけたときは、但し書きの「一時の娯楽の用」にあたるので賭博罪は成立しません。
ただしここで注意するべきなのは、判例では金銭をかけたときは金額の多寡にかかわりなく、賭博罪が成立すると考えている点です。
どれほど低額のレートであっても、金銭をかければ賭博が成立するというのは念頭に置くべき知識です。
さらに常習性がみとめられるときは、刑法186条で3年以下の懲役に処する、と規定されています。
つまり賭け麻雀が上昇的になっている場合は、より重い懲役刑が用意されているわけです。
単純賭博罪が罰金刑でとどまっているのに比べればかなり重い刑事責任をおうことになります。
なお「常習」というのは判例によると、賭博を反復継続する習癖をもつことを意味していると判事されているそう。
もっとも常習性の判断は、単なる頻度の程度だけでなく、継続した期間や掛け金の多寡・前科の有無などを総合考慮して判断をだすとされているのです。
過去の判例では3日間賭博遊技場を経営しただけで常習賭博罪にあたると判断されたこともあります。
これは生業として賭け麻雀を主催する以上は、将来的にも反復継続するものと推認されたことが影響しているといえそうです。
これまでの解説で賭け麻雀の違法性は明らかで、飲食物などその場で消費するような例外的事情がない限り、警察から検挙される可能性があることは明らかになりました。
確かに警察に検挙される事例は少ないものの、違法性があることは重々認識しておく必要があります。
しかし賭け麻雀のときには、イカサマ行為が駆使されることもないわけではありません。
イカサマ麻雀では麻雀の勝敗はイカサマ行為に依存していると考えられるので、偶然性が存在すると評価するのは難しく、賭博行為が成立しないとされています。
もっともイカサマ行為は参加者から金銭を騙し取る行為に該当するので、別途詐欺罪が成立するものと考えられます。